2014年6月10日火曜日

祝島への学習旅行の報告

特別例会、祝島への学習旅行、無事終了しました。

現地では、天候にも恵まれ、大変、充実した内容となりました。

参加者は、もやい塾と合同で、15名でした。

5月24日
宿毛発 → 三津浜港 ~フェリー ~ 柳井港→ 四代 ~ (チャーター船)上関原発予定地見学 ~祝島(いわいしま)
5月25日
島内フィールドワーク、2班に分かれてガイドしていただく。
①港周辺 フィールドワーク /②養豚、農園 フィールドワーク
祝島 → 定期船 →四代 → 柳井港 ~ フェリー ~ 三津浜港 → 宿毛着



 
上関町四代から祝島へ、上関原発建設予定地を見るためにチャーター船2台に乗船


上関原発建設予定地、田ノ浦へ、船の向こうに見える浜が田ノ浦。
 

祝島港と集落

祝島
人口445人7.67km2



港のすぐ前にある5月に祝島でオープンしたばかりのカフェ、岩田珈琲店の店内にある薪ストーブ(ロケットストーブ)、島内でも薪は十分確保できるそうです。Iターンの方が北海道から移住し開業。

祝島には、元から薪などを使うベースや節電などの意識が高く、昨今、自然エネルギーを有効に使う昔ながらの生活が見直されてきており、これに若いI、Uターン者が、加わってきています。



朝市で、若いIターンの方の話を熱心に聞く

祝島では、3年間で25人もI、Uターン者が移住したそうです。



クリニック船(病人緊急搬送用の船)に取付けられているソーラーパネル、船のエンジン始動用のバッテリーの充電用に使われている。

バッテリー上がり防止用
 

①港周辺 フィールドワーク 
石塀

 
 
えびすや商店に取付けられたソーラー発電システム
自然エネルギーでの発電自体は、いろいろな意見があるため島全体としてはあまり進んでいないとの事。
 

②養豚、農園 フィールドワーク

 

トラックに乗せていただき、島の反対側で行われている豚の放牧(放し飼い)を見学

この様な環境で育てると肉質が良くなり、高値で取引されるそうです。氏本牧場にて

 
 
豚の放牧場の後に作った田んぼ、豚を放牧すると豚が地面を掘り返すので、田んぼに戻ししやすいそうです。

この田んぼは、先日、I、Uターン者が手植えで田植をしたばかりだそうです。ソーラーパネルは、電柵用、豚の放牧時は豚が逃げ出さない様に設置。

 祝島西部の田畑

 収穫間近のビワ園

 
コッコーと言う貴重な植物の自生する場所まで、案内していただきました。この様に、祝島には、貴重な自然が豊富に残っています。

まとめ感想

祝島(7.67km2)は瀬戸内海に浮かぶハート型の小さな島ですが、小さいと言っても宿毛市の沖の島(10.5km2)の一回り小さいぐらいで、大月町の柏島(0.57km2)と比べると10倍以上の面積を持つ島です。

人口は20143月末現在445人で、島民のほとんどが、定期船の港がある東側の集落に住んでいます。

他の離島や中山間地域と同様に、最盛期より人口は激減し、過疎化、高齢化が進んでいます。

瀬戸内海でも祝島近海は、豊かな自然環境が残っていて、それは澄んだ海や空、最高標高357.4mの森林に覆われた島全体を見ればすぐに実感できます。

祝島の現状を知る上で、避けて通れないのが、島民のほとんどが住む集落の向かい3.5km、毎日見ている対岸の田ノ浦に、1982年に持ち上がった原子力発電所建設計画で祝島の島民は32年間反対運動を今も続けています。

毎週月曜日に今も行われている建設反対デモは、1192回に上ります。

町民は反対派、推進派に分断され、争いは今も続いています。

電力会社は今も原発の新設を諦めていません。

外部の人間が、軽率に語る事はできませんが、島には1120年も続く伝統の祭り神舞(かんまい)やそれを維持する地域コミニティーや豊な自然資産がありますが、それに気づかず将来に不安を感じ、原発の交付金や補償金に頼ろうとすると、それを利用し原子力発電所が建設されてしまう恐れがあります。

明るい兆しも感じる事が出来ました。

島の伝統や自然にあこがれて、若い世代のUターンやIターンが増えている事、又、島民が単に、反対するだけでなく、原発に頼らない島おこしをめざされている事などです。

自然エネルギーも発電だけでなく薪→薪ストーブ(ロケットストーブ)、節電の取組など、いろいろ形で取り入れられています。

滞在は、一泊二日間で、島のほんの一部分を見聞きしたに過ぎませんが、現地の方々が親切、丁寧に案内していただいた事もあり、沢山の事を学ぶ事ができました。

祝島のHP 
http://www.iwaishima.jp/